「上級ウェブ解析士の勉強は40〜60時間程度で合格できます」
ウェブ解析士協会の公式サイトにはこう書かれています。
でも、実際に受験した私の学習時間は150時間でした。
なぜこんなに差があるのでしょう。
私は、2025年3月から学習を開始し、2025年5月に上級ウェブ解析士講座を一発合格しました。
要した学習期間は2.5ヶ月、学習時間はなんと「150時間」。
毎日コツコツと学習を続けた結果、2.5ヶ月で公式見解の約2.5倍、150時間ほどかかったのです。
とはいえ、時間をかけすぎたという感覚はありません。
合格するために必要な時間でした。
この記事では、どこに時間がかかったのか、実際の学習スケジュールから苦労したポイント、そして「もっと効率的に学習するコツ」まで正直にお伝えします。
- 「本当に40時間の学習で合格できる?」
- 「提出期限内にレポートが出せなかったらどうしよう」
と不安に思っている方がいたら、この記事はきっと役に立つはずです。リアルな情報をお届けします。
【比較】上級ウェブ解析士合格に必要な学習量、公式と私の差は?
公式が出している上級ウェブ解析士に必要な学習時間とは
ウェブ解析士協会の公式サイトによると、上級ウェブ解析士の合格に必要な学習期間は2.5〜3ヶ月。
学習時間は40~60時間です。
| 項目 | 期間・時間 |
|---|---|
| 受講開始から合格まで | 約2.5~3ヵ月間 |
| 一般的な学習時間 | 40~60時間程度 |
学習期間の目安:

グラフ出典:https://www.waca.or.jp/course/swac/

私は、150時間だから36時間以上だ
24時間でできた人たちもたくさんいるんだ・・・
合格者アンケートでは、最短1ヶ月という回答も。
合格者アンケートによると、最短で1ヶ月・最長で4ヶ月が合格までの期間の目安です。
上級ウェブ解析士試験は認定講座を受講し、認定講座内の課題をクリアすることで合格認定されるのですが、講座に期限があります。期限は講座や講師により前後しますが、最長でおおよそ4ヶ月です。
その間に課題を全部クリアする必要があります。
私の学習スケジュールと合格までの期間
150時間かかった私の学習データはこちらです
- 学習期間:3月半ば〜5月末(2.5ヶ月)
- 毎日2時間×77日=150時間
- 結果:一発合格
<学習時間の補足>
- 平日・休日関係なく朝5時〜7時で1日2時間
- 休日は2日間ほど、レポートに全集中できるよう終日時間をとって作業をしていました。
- GW期間間中も学習は1~2時間ほど行う
上級ウェブ解析士の講座は受講期限が設けられています。その期限内に終わらないと不合格になってしまいます。
最短での合格を目指していたので、1日の学習時間をしっかりとって進めていきました。
合格までの期間は【2.5ヶ月】と短期間での合格を果たしましたが、振り返ってみると公式が出している「40時間」に対して、実際は「150時間」とかなりオーバーすることになりました。
私のウェブ解析士まわりの経験
私は、15年以上、IT企業のWebマーケティング部門で勤務をしています。
GoogleAnalyticsもGTMも、ログインして管理画面に入って作業をしたこともあります。
広告出稿も経験があり、広告出稿の試算や効果検証の経験もあります。

それなのに、150時間かかっているという事実
次からは、具体的に「どこに・どれだけ時間がかかったのか」
実際のカリキュラム内容と照らし合わせながら検証していきます。
上級ウェブ解析士のカリキュラムの全貌
上級ウェブ解析士の講座内容
上級ウェブ解析士の講座内容は大きく分けて3つ
① 第1部演習で、事業分析・経営戦略の策定を行い
② 第2部演習で、マーケティング戦術書を作成し
③ 修了レポートで提案書に落としこむ
第1部で、各種フレームワークを学び、事業分析を行いながら全体の戦略を立てていきます。第2部ではいよいよGoogleAnalytics4やGTMの課題も出され、数値を実査に分析しながら進行します。
修了レポートで、第1部で作った戦略、KSF・KPIのロジックツリーと、第2部の数値方向に誤りがないか見極めながら提案書を仕上げていきます。
上級ウェブ解析士の受講内容
上級ウェブ解析士認定講座は、オンライン学習システムでの自主学習と、レポート課題がセットです。ライブ配信授業に2回出席をすることも条件となっています。
(忙しい人は、ライブ配信の代わりにオンデマンドでの動画視聴でもOK)
※下の図、及びカリキュラム内容は公式サイトより引用(図は参照)


上級ウェブ解析士 カリキュラム
第1部
オンライン学習カリキュラム
- 第1章:マーケティングと企業理解
- 第2章:マーケティング戦略立案の方法
- 第3章:マーケティングデータと目標設定
- 第4章:コミュニケーション戦略とカスタマージャーニーマップ
第1部演習課題
第1部演習課題は以下の8要素で構成。それぞれ1〜2ページでレポート作成します。
レポートはパワーポイント( or Googleスライド)指定
- 5フォース分析による外部環境分析
- ウェブ解析士協会の事業内容分析
- 直接競合の事業内容分析
- セグメンテーションとターゲティング
- ペルソナによる顧客像の設定
- 3C分析によるポジショニング
- カスタマージャーニーマップの作成
- KSF・KPI・施策のロジックツリー作成
第2部
オンライン学習カリキュラム
- 第5章:Webサイトの解析
- 第6章:Webサイトの改善
- 第7章:インプレッション施策
- 第8章:エンゲージメント施策
- 第9章:リテンション施策
- 第10章:レポートの作成
第2部演習課題
第2部演習課題は以下の8要素で構成。それぞれ1〜2ページでレポート作成します。
レポートはパワーポイント( or Googleスライド)指定
- KPI設定シート
- Googleタグマネージャー解析設計指示書
- ウェブマーケティング計画書
- ウェブサイト改善提案
- ウェブマーケティング提案
- 3C分析によるポジショニング
- カスタマージャーニーマップの作成
- KSF・KPI・施策のロジックツリー作成
修了レポート
第1部演習と第2部演習の課題と、新たに修了レポートとしての課題をマージし、ウェブ解析士協会への提案資料(架空)として提出するレポートを作成します。
- 表紙
- 目次
- エグゼクティブサマリー
- 事業課題の事業分析【第1部演習】
- 3か月全体レポート
- KPI設定シート【第2部演習】
- カスタマー別月間推移
- ロジックツリー【第1部演習】
- ウェブサイト改善提案①【第2部演習】
- アクセス解析①
- ウェブサイト改善提案②(ヒートマップ分析)
- ウェブマーケティング提案【第2部演習】
- アクセス解析②
【体験談】勉強時間「150時間」かかった私のスケジュール
学習開始から第1部演習の完了まで(約20日間)
オンライン学習は、「マーケティングと戦略立案」など章ごとにコラムがあり読んだ後に小テストを解いていくスタイル。 小テストはその場で答え合わせができ、また間違っても、何度でも挑戦ができます。ここは問題なくサクサクと進められるでしょう。演習課題は競合分析などが入ってくるので、多少時間がかかります。
- 第1〜4章のオンライン学習:5~10時間
- 第1部演習課題(8つ):10~15時間
50点が満点。35点以上で合格なのですが、誤字脱字が減点対象になるため、一度時間をおいて、見直しの時間をとるのが良いです。今はAIで誤字脱字チェックもできますが、学習のためにも、自分で後日見直す工程を挟むのが、その後の自信にもつながります。
第2部演習から最終レポートの提出まで(約1ヶ月)
第2部ではいよいよ、実際の解析業務が入ってきます。
「GA4からデータを取得し、Excelで半年間の数値予測を行う」など「解析業務」をイメージする演習問題が出てくるのがこのパート。
選択制ではありますが、Google Tag Manager(GTM)の解析設計書が課題として出てくるのも第2部です。
- 第5〜10章のオンライン学習:10〜20時間
- 第2部演習課題(5つ):30〜40時間
- GTM、Google Analytics4の動画視聴 :10時間(動画視聴)
GTM、Gogole Analtytiics4が未経験の場合は、講座とは別に学習をすることをお勧めします。
どちらも基礎的な理解がないと課題を解答するのは難しく、「ウェブ解析士」という名称からもこの2つのツールは基本からおさえたいところ。
受講前に動画を見ておくのが時間的な余裕は生まれますが、受講してからが危機感を持って集中して学ぶことができたなというのが感想です。
修了レポートの提出まで(約20日間)
修了レポートでは、第1部演習と第2部演習で作成したレポートを統合して、ウェブ解析士協会に向けた提案資料を仕上げます。
ここで苦労するのは、1部・2部でKPIやロジックが少しずれている場合。
KPIツリーを1部で作成するので、2部の課題に取り組みながら、KPIのズレや費用対効果とのズレといった面から、1部で考えていた施策が妥当でないことに気づきます。
ズレが生じたため、マーケティング費用をゼロから算出し直すなど、補正作業に大幅な時間を要してしまいました。
第1部のレポート作成で全体像を瞬時に理解し、修了レポートを見越して作成するのは大変難しいです。それでも第2部など進めていく上で、全体を見直しながら、1部の修正をしつつ進めていくと修了レポートに要する時間の削減につながるでしょう。
- 修了レポート17ページ以上作成:30~40時間
- 第1部演習+第2部演習の集大成:ロジックの違いの修正に苦戦
私が特に苦労した3つの点と、その乗り越え方
未経験だったGTMの学習と対策
GTMとは以下のツールのことです。
GTM
Google Tag Manager(Googleタグマネージャー)は、Googleが提供するタグ管理ツールです。WebサイトはHTMLで記述されています。
タグは、このHTMLに追加するテキストのことを指します。従来は、「クリックしたかどうか」などクリックを記述しているHTMLに直接タグを記述する必要がありました。
GTMはこのタグを一元管理します。
あらかじめ、「GTMトラッキングコード」と呼ばれる、共通となるコードをサイトの全ページ、headタグに埋め込んでおくことで、HTMLを直接記述せずとも「クリック」「スクロール」などを計測できるような仕組みを持っています。
GTMの構造は複雑に見えますが、最低限のポイントを押さえておくと、理解が速くなります。
未経験だった私はこのシンプルな構造理解に至るまで時間がかかりました。
- ウェブサイトを計測するためのトラッキングコードを取得する
- トラッキングコードは、GTMのアカウントから取得ができる
- GTMのアカウントは無料、Gメールがあればすぐに取得できる
- トラッキングコードは、GTMのアカウントから取得ができる
- 計測したいページにトラッキングコードを挿入する
- HTMLに直接記述をするので、HTMLを触れる権限がないと、実際にトラッキングコードを挿入することは不可
- 上級ウェブ解析士では、ウェブ解析士協会のサイトが課題となっている
- もちろん、HTMLに受講生のトラッキングコードを埋め込むことは不可なので、試験では、コードを埋め込んだと仮定して進める
- 仮定して進めるので、実際の計測はできない、GTMを設定・管理するための指示書作成までを行う(実装・計測はしない)
- 上級ウェブ解析士では、ウェブ解析士協会のサイトが課題となっている
- HTMLに直接記述をするので、HTMLを触れる権限がないと、実際にトラッキングコードを挿入することは不可
- タグ、トリガー、変数の仕組みを理解する
- タグ:何を実行するかを定義したもの(例:ボタンクリック、サイトスクロール)
- トリガー:いつ、どんな条件で、タグを発火するのかの条件(例:ボタンがクリックされた時点で、ページが読み込まれた時点で)
- 変数:タグやトリガーの詳細の情報を管理しているもの(例:URLやテキストなどの情報)
外部動画教材も積極的に利用しよう!おすすめはUdemy
GA4、GTMを学習するにあたり、ウェブ解析士協会の講座以外の選択肢として、外部動画教材もあります。
外部動画教材では、Udemyを活用しました。Udemyは頻繁にセールを開催しています。90%OFFとなる教材も。セールをうまく活用するためにも、事前準備がおすすめ。
私は、受講決意の前からGA4、GTMに興味を持っていたので、セール時期に購入していたものを活用しました。
費用を抑えて学習を進められるUdemy講座、とてもおすすめです。
GA4「探索レポート」の理解を深めるコツ
- 操作習得に予想以上の時間
GA4(Google Analytics4)も上級ウェブ解析士のレポートで頻繁に利用をします。第2部演習から、GA4を活用した課題が数多く出題されます。
第2部演習の概要と、GA4を使う課題はこちらです。
- KPI設定シート
- Googleタグマネージャー解析設計指示書(またはショート動画構成案作成)
- ウェブマーケティング計画書
- ウェブサイト改善提案
- ウェブマーケティング提案
GA4を使う課題は赤いアンダーラインを引いている、「KPI設定シート」「ウェブマーケティング計画書」「ウェブサイト改善提案」です。場合によっては、「ウェブマーケティング提案」でも利用します。
特に、KPI設定シートでは、「探索レポート」と「キーイベントの設定」の理解がないと作成を進めていくのが難しいです。
実際にレポートを作成しながらでもよいのですが、並行して学習を進めていくことが大切です。
不明点は積極的に質問
課題を進めていく中で不明点が出てきたら、専用のツールやメール、LINEを使って講師に質問ができます。わからないことを悩んでいる時間はもったいない!10分以上考えてもわからなければ、質問をしましょう。
誰が質問をしているか、専用のツールを使うとわかってしまうので、それが嫌だという方はGメールやLINEを活用しましょう。
GA4の学習に最適!Udemy講座のおすすめ(アフィリエイトリンクではありません)
GA4に関する知識を証明する!「Google アナリティクス認定資格」試験対策講座
最も時間をかけた「修了レポート17ページ」作成
修了レポートは以下のような構成になっています。(再掲)
修了レポート
第1部演習と第2部演習の課題と、新たに修了レポートとしての課題をマージし、ウェブ解析士協会への提案資料(架空)として提出するレポートを作成します。
- 表紙
- 目次
- エグゼクティブサマリー
- 事業課題の事業分析【第1部演習】
- 3か月全体レポート
- KPI設定シート【第2部演習】
- カスタマー別月間推移
- ロジックツリー【第1部演習】
- ウェブサイト改善提案①【第2部演習】
- アクセス解析①
- ウェブサイト改善提案②(ヒートマップ分析)
- ウェブマーケティング提案【第2部演習】
- アクセス解析②
修了レポート解説
修了レポートは第1部と第2部演習課題と、いくつかの新課題からの集大成です。 私は闇雲に走って1部演習と2部演習をそれぞれで実施してきたので、一貫性に欠けていると自分でも感じていました。慣れないGA4を使った課題発見とそれに対する提案も、「木を見て森を見ず」で 走り抜けてきたので、
- ウェブサイト改善提案とアクセス解析がチグハグ
- ウェブマーケティング提案での改善指標とKPI指標があっていない
- 費用対効果のミスマッチ
など数え上げたらキリがないのですが、このあたりの補正にかなり時間がかかりました。
これから受講される方も、同じ轍は踏まないように以下に注意をしていただくと良いと思います。
修了レポートで時間オーバーしないための2つのコツ
- とにかく一貫性を保つ
- 第1部演習の「 KSF・KPI・施策のロジックツリー作成」を常に見返す
- 第2部演習の「KPI設定シート」とKPIロジックツリーの一貫性を保つ
- ウェブマーケティング提案は、「KPI設定シート」の項目から選択をするので、KPIのロジックツリーの一貫性を保っておくことが大事
- 修了レポートの時間を多めにスケジュールを立てる
「一貫性を保つ」を意識して取り組むことで膨大なレポートの「どこに」ズレがあるのか、すぐに理解ができ修正も軽微ですませることができるでしょう。
完璧主義のおとし穴
第1部、第2部で誤字脱字のないよう、完璧にしてきたので、修了レポートでの軸がチグハグになった時に頭が真っ白になりました。
ウェブマーケティング提案などは、1日7~8時間、子どもを預けて取り組んだり、ウェブサイト提案も慣れないGA4を試行錯誤しながら使って出したものだったので、自信はありました。
ウェブ解析士の資格に限ったことではないのですが、あとからの修正が入る、という心づもりの有無はメンタルに直結すると思います。
柔軟に対応する、という心意気で進めることが大事でしょう。
40時間で合格する人の特徴
私自身、150時間ほどの時間を要してしまったのですが、ではどういうひとが40時間で合格するのでしょうか。
GA4.GTM操作に慣れている、というのが一番のポイントなのではないかなと思います。
- 既存のデジタルマーケ経験
- GA4・GTM操作に慣れている
- レポート作成スキルが高い
- 効率的な学習方法を知っている
もっと効率よく学習する4つのコツ
もっと効率よく学習するコツを4つまとめました
- GA4・GTMは事前に慣れておく
- 修了レポートの構成を早めに決める
- 完璧を求めすぎない
- ライブ授業で積極的に質問
これから受験する人へのアドバイス
150時間かかってしまった私ですが、これから受験する人は、40~60時間では心許ないところはあります。GA4やGTMに慣れていて、普段からレポート作成が早い方は別として、まずは「100時間」を目安に確保をしておけるとよいでしょう。
- 100時間は確保しておこう
- 修了レポートが一番時間かかる
- でも確実に実力は身につく
- 「40時間は最短ケース」として計画を
まとめ:公式は最短ケース、100時間を意識した学習スケジュールを立てよう
公式の40時間は最短ケース
公式で出ている40~60時間は最短ケースと思っていて良さそうです。
実際は、課題の理解をするだけでも1日使ったり、各課題についての評価基準に合わせて最終見直しをかけたりするために2~3日かかったりします。このあたり、課題だけではない前後の時間も含めたら100時間以上かかってくると、私は思います。
実際は100時間以上かかるケースもあります!余裕を持って時間設計を
- 実際は100時間以上かかった(私)
- でも2.5ヶ月あれば十分合格可能
ですが、2.5ヶ月で合格が可能でした。 1日2時間の学習時間が取れれば、最大4ヶ月の上級ウェブ解析士のレポート提出期間をフル活用しての合格は十分可能です!
- 正直な情報で現実的な学習計画を立てよう
現実的な学習計画で、合格を目指しましょう。

